島根大学の吉岡助教が行ってきた「斐伊川のアユと環境」に関する研究成果の一端が,電子書籍化されました.
pdfファイルとして無料で出版されており,どなたでもご覧になれます.
本頁の下部からダウンロードすることが可能です.
以下に,書籍の緒言を記載いたします.

緒言(書籍より抜粋)

書は,2020年3月に執筆陣を代表し,吉岡秀和が斐伊川漁業協同組合に提出した報告書「斐伊川のアユと環境に関する研究報告書-2020年3月-」を大幅に加筆修正したものであり,執筆陣らにより2015年から継続されている,斐伊川のアユに関する研究成果の一部を課題ごとにまとめたものである.本書は,斐伊川のアユに関する初めての書籍である.
現在,我が国では,大学を含む様々な研究機関で研究資金不足が深刻である.論文や書籍などの,研究を進めるうえで極めて基本的な役割を担う研究資料さえ満足に収集できない,という研究者の切実な声を数多く聞く.大学は,こうした厳況においても,研究成果を学術界のみならず学生や地域住民をはじめとする一般市民の方々に広く発信することを強く求められている.
また,本書の執筆時期と同じくして,新型コロナウィルスの感染が世界規模で広まっている.本書の構想を練り始めた2019年秋の時点では,このような事態を全く予想できなかった.様々な研究集会や学会が中止になるなど,今を生きる研究者にとって,これまでに経験したことがない事態が生じている.将来を担うための学問に励む学生にとっても,研究や学業,そして日常生活の大きな痛手となっている.ただでさえ近年の高齢化や過疎化によるマンパワー不足が否めない内水面漁業にとっても,この世界情勢の激変が大きな打撃となってしまうことが予想される.
以上の背景を鑑み,本書を電子出版することとし(ISBN番号は付与),さらにWeb上で無料公開することとした.
こうした現在の過酷な状況下においても,淡々と研究を続け,我が国,ひいては世界の明るい未来に少しでも貢献したい,という強い気持ちとともに本書を出版している.本書が,斐伊川をはじめとする様々な河川の環境や水産資源の今後,そして学生や研究者の学問や研究に少しでも役立てば幸いである.

(書籍URL)
https://www.hiikawafish.jp/date/200300ayutokankyo.pdf

(書籍情報)
斐伊川のアユと環境 -2015年から2020年の研究成果より-
(Ayu and River Environment in Hii River, Japan -Research results from 2015 to 2020-)
ISBN: 978-4-600-00425-5

2020年5月発行
編集者:吉岡秀和 (Hidekazu Yoshioka)
著者:吉岡 秀和・濱上 邦彦・辻村 元男・吉岡 有美・八重樫 優太
(Hidekazu Yoshioka, Kunihiko Hamagami, Motoh Tsujimura, Yumi Yoshioka, Yuta Yaegashi)
出版者:島根大学環境数理科学研究室(〒690-8504 島根県松江市西川津町1060)
(Laboratory of Mathematical Sciences for Environment and Ecology, Shimane University)

(連絡先)
島根大学 助教
吉岡 秀和
yoshih”at”life.shimane-u.ac.jp